突然の出会い Category: 不思議坊主研究所
Posted at 08/06/15 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
「彼らのことを個性と言われる方もいらっしゃるけど、
私は、彼らは彼らの文化を持っていると思っているの。
私たちの文化を彼らに押しつけるわけにはいかない。
彼らの文化を理解していくことも必要なの。」
ああ、なんて素晴らしい表現をなんだろう。
私はこの出会いに心から感謝した。
5月のある土曜日のこと。
東京に住む高校の同級生から自宅に電話があった。
「この間の関東同窓会の講演の後の懇親会で
先生に何気なくマムさんの話をしたのよ。
そしたら、来月そっちへ帰郷する予定があるから
時間をとってお話してみようかしらと言われてね。
とても解りやすいお話だったし。
良い機会だと思うから、とにかく連絡してみてよ。」
そう言って友人は、ある方の電話番号を教えてくれた。
彼女には、発達障害についての知識はほとんどなく、
我が家の詳しい状況も知らない。
その彼女が、偶然に定例同窓会のスタッフを引き受け、
発達障害についての導入的講演を聴く機会を得た。
そして、お酒の席でこういう展開になったという。
確かにその先生はワタシたちの大先輩である。
ずっと発達障害教育に携わってこられたとのことで
知識も経験も豊富だろう。
だからといって、ワタシにとっては見ず知らずの他人。
いったい会って、何を話せばいいのだろう。
それに、障害のことはプライベートな問題である。
いや、ワタシはそのことを、
彼自身のプライバシーだとさえ思っている。
ワタシは、他人同士で話が進められたことに
少し不快感を感じていた。
とはいえ強く断る理由もなく。
結局、2日考えた挙げ句に電話をした。
初めて会話を交わす相手は、とても落ち着いた声だった。
ワタシも、自分の想いを相手に伝えられるよう
言葉を選んで会話をした。
「お母さんはかなりいろいろお勉強されているから、
ワタシがお会いしても出来ることはないかもしれない。
でも、まだお役に立てるかもしれない。
できればお宅へ伺いたい思うんですけど。」
はっ?? ウチへっ???
「できれば息子さんの日常を見させていただきながら、
お話したいと思いますので。」
え?? 何故にそこまで??
この瞬間、例の不思議な予感がしたような気がした。
ひょっとして、コレは偶然ではないかもしれないと。
さて、偶然ではないとすると
2〜3時間という限られた時間を有効に使うために
しなくちゃならないことが沢山あった。
まず、何をどう話し、何を伝え、何を教わりたいのか、
自分の中でハッキリさせておかなくてはならない。
長男の出生からこれまでの生い立ちを思い出し、
双子の弟たちそれぞれの気になる日常をも確認し、
オットの過去と現状をもう一度正しく理解し、
自分自身の心の奥底にも深く入り込む。
そうして得た膨大な事実と仮説をふるいにかけ、
伝える為にしておく準備と、知る為にしておく覚悟、
それから、特別な来客のための家中の大掃除。(笑)
2週間という時間はあっという間に過ぎていった。
さて、いよいよ当日。
迎えに出向いたダディの車から降りてきた先生は、
とても60歳とは思えないステキな女性だった。
そして彼女は、ワタシが期待した知識と経験を
すべて持ち合わせている、その道のプロだった。
ワタシの2週間の試みは無駄にはならなかった。
既にワタシには、発達障害について相談できる
教育現場の先生方と医師がいるのだが、
実は、教師にも医師にも同じ立場の母親たちにも言えない
複雑な想いや悩みを抱えていた。
自分の認識は正しいのかどうか、
自分の歩いている道は間違っていないか、
いつも自問自答を繰り返すばかりで、
ときどき例えようのない孤独感に襲われた。
でもこの機会を得たことで、
心の奥底に隠していた悩みや疑問を吐き出し、
自分勝手な仮説のいくつかのを真実にし、
更に新たな現状と多くの知識を得るに至った。
初めて、本物のプロに出会えたような安心感。
親には親の、教育者には教育者のすべきことがある。
それは、似ているようで実は異質なもの。
今の子供たちをとりまく社会には、
社会全体で正しく認識しなくてはならないことが
山積みにされたまま放置されている。
すべての子供たちは愛されて育つ権利があると、
そして、愛をを教えられて育った子供はやがて、
他人も自分も愛することができる大人になり
また愛を伝えていくことができると、信じたい。
生活環境や社会が変わっても、
どんなに過酷な時代がやってきても、
愛があれば、覚悟をもって最良の選択ができると、
ワタシは思っている。
学生時代にもっと勉強をしておけばよかった、
と言うワタシに先生は仰った。
「マムさんは、これから別のママを助けられるわ。
それに、今からチャレンジしても遅くはないのよ。
机の上で学ぶより、経験から学ぶことも多いんだから。」
いやいや、ワタシが知る限り
プロになるには5〜6年の時間と学費がかかるはず。
そんな心までも見通したかのように、
先生は微笑んでいらっしゃった。
今のところ、大学生になる余裕のないワタシは
やっぱりしばらく、ここで書くことになりそうだ。
沢山のお母さん方に知ってもらいたいと思う。
自分の子供だけでなく、多くの子供たちのことを。
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