コマまわし  Category: わが家の3兄弟

Posted at 07/01/14 Comment(4)» Trackback(0)»

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2月になると、幼稚園でコマ回し大会がある。
年少の手回しコマ、年中の糸引きコマに続き、いよいよ年長では、
本格的なコマを体験する。

冬休み前にもらうコマに、それぞれが、好きな色でペイントする。
「お正月に、よく遊んでくださいね。」と言われるのだが、
多くの家では、親も子もそれほど興味がないのか、
あまり練習して来ないようだ。
「6歳児には、ちょっと難しいわよねぇ。」と言う親も居るらしい。

だが、たかが6歳…されど6歳である。
子供たちって、ほんとうは、思わぬチカラを持っている。
上手く教えれば、何だって、それなりに出来るようになる。
そして、少し出来るようになると、もっとやってみたい、
上手くなりたい…という気もちを持つようになる。
それが、子供の伸ばし方だったり…てな、強妻頑母流。

さて、そんなワケで、お正月には、ダディ先生と不思議クンのもと、
コマ指導が行われた。
頑張ルンと天然クンは、要領がよく、すぐに回せるようになった。
休みの後半の天気の良い日には、それぞれのコマを持って
公園に出かけ、手が冷たくなるまで帰ってこなかった。
そして、興奮気味に帰ってきては、今日は、誰が一番だったとか、
今日はコレが出来たからと言っては、ワタシを家の前に連れ出す。
「よその車にぶつけないでよ!」と言うワタシの前で、
少し緊張した面持ちで、思いっきりコマを投げる。
そして、上手く回ったときの、あの、得意そうな笑顔…。
こういう時に「男の子3人って、素敵!」と思ったりする。

********************************

2年前、年長だった不思議クンは、あまり器用ではなかった。
そして、心の傷を抱えていて、不安定だった。
ワタシたちは、彼に高望みをしなかった。
だから、コマだって、他のお母さん同様、回せなくても良い…
そう思っていた。

ところが、本人は違っていた。
上手く回らないことに納得がいかず、練習を続けた。
そして、ひどい癇癪を起こすばかりだった。

さあ、困った、どうしよう。

彼が上手く回せないのは、コマを水平に出していないからだった。
ワタシは、さんざん考えて、小さな丸い缶のふたを渡し、
ソレを、ソファの上にのせるように投げさせた。
どうにかして、水平に投げ出す感覚を教えたかったのである。

「こんなの、やりたくない。コマ、回すの!」
そう言っていた彼をなだめて、何度か繰り返すうちに、
どうにかコツをつかんだようだった。
それからコマを持たせ、しばらくして、やっと回せるようになった。

ワタシたちは、ホッとした。
回せるようになったことに…ではない。
彼が癇癪を起こさなくなったことに…だ。
そしてもちろん、それ以上は全く望んではいなかった。


ところが、新学期が始まり、園でも練習するようになって、
彼は、どんどん上達した。
その、のめり込み方は、普通ではなかった。

手が冷たくなろうが、小雨が降ってこようが、日が暮れようが
何時間でも、ただひたすらに練習した。
そして、5回に1度回っていたコマが、3回に1度になり、
2回に1度になり、ほとんど失敗しなくなった。
それでもなお、回し続け、今度は長く回せるようになった。

彼は、あっという間に、苦手グループを脱出し、
いつの間にか、得意な子たちと練習するようになった。
普段、あまり目立たない不思議クンは、そのことで目立ってしまい
気の強い子に、憎まれ口をたたかれたりもしたが、
本人は、夢中になってコマを回し、気にもならないようだった。


それから数日後のある日、幼稚園から帰ってきた不思議クンが言った。
「お母さん、リサ子ちゃん…カッコいいよ。」
「ん?…なにが?」
「コマ、すごく上手だよ。お兄ちゃんに教えてもらうんだって。」
「そう。でも、不思議クンも上手になったよ。」
「…うん。」

不思議クンから、知らない子の名前を聞くのは初めてだった。
いや、誰かの話をしたのさえ、初めてだったかもしれない。

数日後、担任だった教頭先生が言われた。
「不思議クンの集中力は、すごいわよ。
リサ子ちゃんに憧れて、いつも側で練習してるの。
あんな不思議クン、初めて見たのよ。
良い方向に向いてきたのかもしれないわね。
でもリサ子ちゃんは、ダントツで上手くて、かなわないのよねぇ。」

「アハハ、そうなんですか。」
「でも、不思議クンは、勝ち負けには拘ってないのよね。」
「ええ、回すことそのものが、楽しいようなんです。」
「良いことだわ。本当に良かった。」

さて、いよいよ、コマ回し大会の前日、
それぞれのクラス代表を決める、予備大会の日のことだった。

バスを降りてきた不思議クンが言った。
「お母さん、ボクね、今日、リサ子ちゃんより、長く回った。」
「え?…代表になったの?」
「ううん。あのね、ボクが勝ったらリサ子ちゃんがすっごく泣いたの。
それで、もう一回やろうよって言って、今度は負けた。」

そう言って、彼はニコニコしていた。

彼女は誰かに負けるなんて、夢にも思わなかったようで、
思わず悔し涙が出てしまったらしい。
もともと、勝ち負けに拘っていない不思議クンは困ってしまい、
三回勝負…ということになったようなのだが、二度目に負けた彼は
もういい…と言い、あっさりと代表を譲ったのだ…と、
後から先生から電話があった。

誰かと競うのが好きではない、不思議クン。
彼にとって、誰かに勝つことや大会に出ることは、目的ではなく、
ただ、上手になりたいだけだったのである。
不思議クンは、憧れていたリサ子ちゃんと同等になっただけで
十分満足だったのだろう。


このコマ回しの時、初めて彼の『こだわり』が表れた。
その後、縄跳び、剣玉、お手玉…どれものめり込み、
短期間で、驚くほどの上達を遂げてきた。
ワタシたちは、彼の集中力に驚きながら、心の回復を期待した。
だが、…あれから2年。
ワタシは、彼の集中力が、ある種の特徴であったコトに気づく。

********************************

さて、先週末に幼稚園から、お母さんへの宿題が出た。
平日、コマを置いておくために、牛乳パックの箱を作るように…
とのことだった。
ええ、ええ、2つです…作りましたとも…。
後で、アップします。


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"コマまわし"へのコメント

CommentData » Posted by うたの森 at 07/01/15

TITLE: no title
小学校でもやってますよね、こま回しとか、剣玉。
1年生の、昔の遊びって、単元かな・・・。
にいやんは、このこま回しには興味を示さず、
ほとんどまわせません。
でも、ゆうやんがえらい興味を持ってしまい、
去年は毎日毎日、こま回し。
おかげで(?)家のフローリングは傷だらけ(笑)
ほんと、興味を持つって、すごい力ですよね。

CommentData » Posted by アンティーク・マム at 07/01/16

TITLE: コメントありがとう。
ああーー、わかる、わかります。
我が家のフローリングも傷だらけなんです。
だって、もう5年もコマ回してる。(笑)
コマ以前にも、積み木やブロックで、傷だらけだったんだけどね。
こういう事って、出来なくても困らないけど、
出来るとなんだか、ヒーローになれたりするらしい。
バランス感覚とかが発達して、意外といいようだし。
ホント、興味を持つことが近道です。

CommentData » Posted by す〜さん at 07/01/17

TITLE: no title
小学生でも独楽回しは出来ない子がいるのに・・
とにかく何かを成し遂げる喜びを知る事は良いですよね。

我が末っ子は、年中さんの時の発表会で獅子舞があったんですが
獅子が怖くて出来ないのを、まずは紙で作った物から徐々に慣らしていって  年長では主役級に
そして今では、地元の獅子保存会の未来の若長みたいな

10年程前の事を思い出しました。 ありがとう!

この文字の大きさは良いですね!老眼には目が楽です。

CommentData » Posted by アンティーク・マム at 07/01/19

TITLE: no title
☆す〜さん
日本独自の遊びや伝統芸能を子供たちが受け継ぐのは、
素敵なことですよね。
この幼稚園では、コマ回しの他にカルタ大会もあり、
コチラも、年長は「イロハがるた」なのです。

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